書 斎 (剣道の研究と考察)

 旧ホームページ開設以来、「私の剣道論/目指せ!! 高段者、4段からの剣道研究」と題してブログ掲載していたものを、道場掲示板等の記事なども加筆しながら再編し、全8編にまとめてみました。

 あくまで、未だ修行途上にある「イチ剣道家の私論」としてお読みくださるようお願いします。なお、ご意見、ご批判、ご感想なども、どうぞ遠慮無く掲示板やメール等にお寄せいただければ幸いです。

1.剣道の本質 編(剣道は武道)

 剣道は、現代的なスポーツとしての観点で捉えると、そこにはやや理解しにくい不合理なルールや決まりごとなどがいくつかあります。

 そこで、日本剣道の長い歴史を踏まえながら、「面を打つ」という剣道の技法上の意味を探ることによって、現代剣道に受け継がれてきた真の目的と効果について考え、剣道の本質に迫ってみました。

 なお、この記事の一部は月刊剣道日本の2003年7月号「初太刀 この一本」という特集記事の中で紹介されました。

2.日本剣道形 編(剣道形の意味)

 日本剣道形の重要性は理解していても、現実には昇段審査等の前にほんのちょっと稽古するだけという人も少なくないはず。

 剣道形の意味やそこに秘められた思想を知ることによって、剣道形が今よりもう少し身近に感じられればと思います。

 (この記事の一部は、月刊「剣道日本」の2005年1月号~2月号に「日本剣道形ってそういう意味だったのか」というタイトルで連載されました。)

3.剣道の身法 編(目付と足さばき)

 剣道において古来から伝えられてきている基礎的な身体運用の教えは、現代人にはちょっとわかりにくい部分があります。そのため若手の剣道家が勘違いをして子供たちを指導している場面を時折見かけます。

 そこで、剣道本来の「姿勢と目付の関係」「蹴らない足さばき」「茶巾絞りの手の内」「重心を中心とする竹刀の振り方」など、剣道の基本動作をこれまでとはちょっと違う視点で解説してみました。

 伝統的な武道における身体運用法を知ることが剣道の上達に繋がると思います。

4.剣道の技法 編(技の基本と上段)

 陰陽五行に基づいた5つの基本の構えと基本の打突方法及び技についてまとめてみました。その上で、一般的には高度な応用技とされている「片手打ち」について、そのコツを解説しています。

 片手打ちをマスターし、上段の構えの技と気位を学ぶことは、自身の剣道の幅を大きく広げます。「中段も十分出来ないのに。。。」と尻込みをせず、ぜひ上段技にも挑戦してみてください。

5.剣道の心法 編(攻めの理法)

 日本剣道形編でも解説した「間の理合」「正中線上での攻防の理合」「中心取りの理合」という剣道の3大理合について具体的な例を挙げて説明しています。

 さらに参考までにということで、これら3つの理合に心理的な側面を加味した私なりの「攻め」の方法(理法)についても若干触れてみました。

 皆さんそれぞれの「攻め」の研究に役立てていただければ幸いです。

6.剣道の修法 編(武士のたしなみ)

 剣道家としてはもちろん、これからの剣道界を牽引する若き指導者たちにとって、これだけは覚えておいた方が良いだろうと思われることをまとめてみました。

 基本的な着装や礼法から始まって、稽古法やトレーニング法、試合の意義、さらには居合や杖道、試斬などの概略も網羅しています。

 どうぞ現代剣道家の常識的事項(武士のたしなみ)と思って読んでみてください。

7.剣道二刀流 編(二刀流に学ぶ)

 二刀の剣道は、通常の一刀の剣道とは全く別のものであると思う人も多いかもしれません。

 しかし二刀剣道も一刀剣道も全く同じ剣道であり、むしろ剣道の基礎としての片手打ちを修練するのが二刀であり、その応用技が諸手による一刀であるというのが私の持論です。

 ですから二刀の修練をすることはそのまま一刀の修練に繋がります。

 ぜひこの機会に二刀の世界を垣間見てください。

8.雑記帳(歌で伝える剣道の極意)

 ■ 剣 道 の 歌 ■

 昔から歌で伝えられてきた剣道の極意を集めてみました。

 これまでの師からの教えの覚え書きや、雑誌、書籍、インターネット等から拾ったものですので、記述が正確でないものもあるかもしれません。

 でも、一つか二つ、なにか思い当たる内容の歌、心に響く歌などがありましたら、どうぞ修行の糧にしてください。